うつとは: 2007年2月アーカイブ

うつ病にかかる人には、よく考える性格の人が多い。
では、「考えすぎ」はよくないことなのであろうか。

友達や家族に自分の考えていることをそのまま話すと「君は考えすぎだからだめなんだ。そんなに考えていたら疲れるだけだよ、もっと気楽に考えると楽になるよ。」そういわれることがある。
”考える”ということは、本当によくないことなのだろうか。

私はそうは思わない。確かに、雪だるまをつくっていくかのごとく、悲観的な考えはどんどんふくらんでいく場合がある。しかし、自分の考え方が悲観的な雪だるまをつくっていくことをはじめから予想することは難しい。

しかし、自分のなかで決着をつけなければいけない自己問答というものは誰でもある。そして、「思考」というものは人間に与えられた最高の特権である。悲観的になっていくからといって、考えるのをやめることはよくないと思う。悲観的になることで自分が失敗したのであれば、そこから這い上がればいい。一回失敗した人間は大きな力をたくわえることができる。そして、悲観的な考えが切実な希望をうみ、その小さな希望の偉大さを体感することができる。

歴史をリードしてきたのは、多くの迫害に負けずに考え続けた偉人たちである。考えすぎた人たちである。
思考なくして天才・偉人は生まれない。

うつ病の原因は、考えすぎる本人にあるのではなく、それを評価できない人間社会にあるのではないだろうか。考えすぎでつぶれてしまいそうな人に対して、「考えすぎだからいけない」と否定するのではなく、プラスの考え方へとリードしてあげるべきなのだ。人々が、思考から生まれた考えを出し合い、納得できる理論を築き上げていける、そんな社会に我々はしていくべきである。

うつ病は、年齢、人種、国籍、職業、生活水準、性別に関係なく誰でもかかる病気だ。
そして、あくまでも傾向としてであるが、真面目で几帳面な人、完璧主義者、責任感が強い人、何事にも真剣に一生懸命取り組む人ほどうつ病にかかりやすい。

そして、こういったタイプの人は、「こうすべきである」という思考を持ち、そのレベルに達することができない自分に鞭打つ傾向がある。そして、このレベルを自分だけではなく他の人にも求めてしまう。しかし、自分のレベルに達する人は多くはない。すると、相手への不満を表現せず、「自分が悪いのではないか」「自分がしっかりするべきだ」と、一人で抱えこんでしまい、不満や過労、ストレスが次々にたまっていく。

最近まで日本において、上にあげたような気質の人は、理想の人間像としてみられてきた。しかし、急激な社会の変化で、そうした価値観が崩れてしまっている(1つの見解として)。そのことが、真面目に理想を追求してきた人々を苦しめる一因となっているとも考えることができるだろう。

こういった性格を直すことはなかなか難しいといえる。しかし、自分の性格をよく把握し、感情のパターンや思考経路などを知り、軌道修正するようにしていけば、少しずつうつ病をふせぐことは可能である。

うつ病は必ず治る病気である。

一般的な傾向として私達は、身体的に異常が起こると、「病気」だと認めるが、精神的な落ち込みなどに対してはなかなか「病気」だと認めにくいものだ。

うつ病になると、無気力感、不安感、絶望感、罪悪感などに苦しむ。それは全て本人の弱さや怠惰、人間的な欠陥によるものではない。それはうつ病の症状なのである。自己否定をしたり、単なる疲れであるのだろうと放置したりするのはよくない。

だから、まず、うつ病やうつ病の症状について、自分自身や家族がよく理解するということが大切である。そして、気分の落ち込みが長く続くのはうつ病という心の病気であるからだ、と早く認識し、専門医の治療を受けるべきである。

辛いときは、なかなか出口が見えないが、少しずつよくなっていく。
「3つ進んで2歩下がる」という言葉通り、数日間で治るものではないが、焦らず休養をとり、治療をしていくならば、確実に少しずつ治っていく。

うつ病は必ず治る病気である。

誰もが気持ちがひどく落ち込むことがある。仕事や勉強がうまくいかなかったり、異性にふられたり、愛する人を亡くしたりと、人生には色んな問題が起こるのは誰もが同じである。

そして、ショックな出来事を経験すると深い悲しみや気分の落ち込みに襲われるのは、ごく自然な”心の状態”といえる。しかし、通常は落ち込んだとしても時間が経過すると、心が切り替わったり割り切ったりして、徐々に元気になっていくものである。

しかし、いつまでたっても落ち込んだままで、心の切り替えや割り切りができなくなってしまう場合がある。そして、何事に対してもやる気が出ず、仕事や家事はもちろんのこと、今まで楽しみにしてたことや趣味などに対してもおっくうになり、関心が持てなくなるのである。

そして、だんだん「何もやる気が起こらず、集中力が働かない自分はだめな人間あり、生きている価値がない」といった絶望感にさいなまれていく。そして「こんな状態では今後やっていけないのではないか」という不安が強くなっていく。

これが「うつ病」である。

うつ病は誰もがかかり得るありふれた病気である。

WHOの報告によると、世界の全人口の3~5%がうつ病にかかっていると推定されている。日本の人口に当てはめると、350~600万人がうつ病にかかっているということになる。

また、アメリカでは、男性で5~12%、女性で10~25%の人が一生に一度はうつ病にかかると報告されている。男性では10人に一人、女性では5人に一人の割合である。

日本においてもさほど差はないといわれている。精神科以外の一般診療所を受診する患者のうち、およそ10%はうつ病であると言われ、風邪についで多く、高血圧と並ぶ頻度の病気であるといえる。

そのため、うつ病は「心の風邪」とも呼ばれているが、その言葉通り、風邪のように、誰もがかかり得るありふれた病気といえる。

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